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肉離れ

このようなお悩みありませんか?

  • ダッシュをして筋肉が急に痛くなった
  • 肉離れを治しても繰り返す
  • 肉離れを未然に防ぎたい

肉離れの正式名称は「筋挫傷」と言い、スポーツ中などに発生する筋膜や筋線維の損傷を表します。
筋肉が裂けたり破れたりすることを「筋断裂」と言いますが、範囲が部分的なものを肉離れとして扱います。
つまり、肉離れ・筋挫傷とは、「自らの筋力あるいは介達外力(外から加わった力)によって、筋が過伸張された筋損傷」を指します。

肉離れのメカニズム

肉離れはスポーツ中に発生することが多く、

  • 急なダッシュやストップ動作
  • 急な方向転換やジャンプの着地時

など、急激な筋肉の「収縮」や「伸張」が関係しています。
例:短距離走のスタートダッシュ
  サッカーやバスケットボールでの急停止、方向転換
  ジャンプの着地でバランスを崩した

スタートダッシュ
フットサル
バレーボール

これらの要因は筋線維にストレスをかけ、筋線維に小さな傷をつけます。
小さな傷であれば超回復の過程で修復をしますが、傷が深かったり、損傷部位が多くなると、徐々に筋線維が脆くなっていきます。
この脆くなった筋肉に収縮運動や伸張動作が入ることで、筋線維の断裂を起こします。
これが肉離れのメカニズムとなります。

よくある勘違い

肉離れを起こした方に話を訊くと、「急にブチッと音がした」という事例をよく耳にします。
具体的には、

  • スタートダッシュの一歩目で痛めた
  • ジャンプの着地で足を着いたときに痛みが起きた

などの状況が多く挙げられます。

「とある動作1回で肉離れを起こすことは少ない」
肉離れは1回の衝撃で起こると勘違いされていますが、厳密には、小さな衝撃の繰り返しによる結果です。
負担がかかり脆くなった筋線維に最後のストレスがかかり、結果として「肉離れ」を起こすことが正解と言えるでしょう。
つまり、肉離れを起こす前には何かしらの前兆があったと考えられます。

また、急な動きを伴わないスポーツでも肉離れは起こります。

例えば、ランニングの様な比較的ゆっくりな動作であっても、筋線維には小さなストレスがかかり続けます。
低強度の負荷を繰り返した結果として、気づかない間に筋線維の部分断裂を起こし、肉離れと同様の症状が起こることがあります。

ランニング

肉離れの好発

肉離れが発生するのは大半が運動中です。
受傷部位はスポーツの特性によって大きく変わります。

ハムストリングス(モモ裏)

最も肉離れを起こしやすい
大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋の3つが集まった大きな筋肉で、「アクセル筋」と呼ばれています。
強力な股関節の伸展と膝の屈曲作用があるのが特徴です。

ハムストリングス
陸上競技(短距離・ハードル・跳躍など)足の振り戻し動作、ディップ動作、踏み切り動作など
サッカーダッシュや急ブレーキ、方向転換、シュート時の振り抜きなど
ラグビー/アメリカンフットボールダッシュや急ブレーキ、接触プレーなど
バスケットボール急なダッシュや方向転換、ジャンプの着地など
テニス/バドミントンストップ&ゴーの繰り返しなど

受傷機転による分類
スプリントタイプ
:ダッシュ時の足の振り戻し動作による発生→鋭い痛み
ストレッチングタイプ:脚の過伸展による発生→徐々に痛みが強くなる

下腿三頭筋(ふくらはぎ)

表面の腓腹筋と中にあるヒラメ筋はアキレス腱に移行し、前に進むための原動力として働きます。
足首の底屈作用が強く、腓腹筋は膝の屈曲にも関与しています。

下腿三頭筋
陸上競技(トラック全般/跳躍)スタートダッシュ/ブレーキ、長時間のランニング、踏み切り動作など
サッカーシュート時、急な方向転換など
バスケットボール/バレーボールジャンプの着地など
テニスサイドステップ、ストップ動作など テニスレッグと言われる
ラグビー/アメリカンフットボール急なダッシュやカット動作など
大腿四頭筋(前モモ)

大腿直筋・中間広筋・外側広筋・内側広筋の4筋で構成される前モモの筋肉です。
膝関節伸展機構という膝の伸展に関与する筋肉で、「ブレーキ筋」と呼ばれます。

大腿四頭筋
陸上競技(トラック全般/跳躍)スタートダッシュ/ブレーキ、長時間のランニング、踏み切り動作など
サッカーキック、ダッシュ/ストップ動作、接触プレーなど
バスケットボール/テニス急停止/急加速、ジャンプの着地など
ラグビー/アメリカンフットボールキック、ダッシュ、タックルによる伸展など
内転筋(内モモ)

恥骨筋・短/長/大内転筋・薄筋の5種類が該当します。
股関節の内転屈曲に作用し、その他の股関節運動の補助まで関与しています。

内転筋
陸上競技(短距離/跳躍)蹴り出し時の脚の外転、踏み切り動作など
サッカーシュート/パス(インステップやインサイドキック)、横ステップ/方向転換、接触プレーなど
ラグビー/アメリカンフットボールキック(パント/ゴールキック)、タックル/スクラム時に脚が開く、急な方向転換、カット
バスケットボールディフェンス(ワイドスタンス)、サイドステップ/方向転換、ジャンプの着地など
柔道/空手/相撲引っ張られる/投げられる際の股関節の過伸展、低い姿勢での踏ん張り動作など

肉離れ自体は全身どこにでも起こりうる障害です。
その中でも下半身の受傷が多いため、これらの筋肉は特に十分な対策が必要です。
それ以外にも、腹筋群や上肢で起こることもあります。

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