目次
スプリンターの半月板断裂日記、3回目は【16日〜30日】をまとめていきます。
〜20日
ヒアルロン酸注射が定着して動きが良くなり、有酸素運動や上半身のトレーニングを中心にリハビリを再開しました。
2週間リハビリを行ってきて何となく方針が固まり、具体的な策を打てるようになったのはこの頃だったと思います。
- 有酸素運動は低負荷で時間を伸ばす
- できる範囲で筋力を落とさないトレーニングを行う
特に改善するべきポイントとなったのは【膝の不安定感】、グラつきが起こるため踏み込みができず、走ろうとしても小走りになります。
殿部の刺激入れや全身のケアと並行しつつ、いよいよ患部に負荷をかけていきます。
- 大腿四頭筋の収縮運動
- 低負荷の下肢ウェイトトレーニング
- 内転筋の強化(EMSによる刺激入れ)
様子を見ながら少しずつ負荷を上げていき、安全な範囲を探りながら動かしていきます。
下肢のウェイトは特に慎重に行い、痛みがあったらすぐに中止しました。
この時はしゃがみ込みができないため、普通のスクワットは悪化のリスクがありました。
ここで取り入れたのはベンチスクワット、座った状態から殿部の収縮+膝の伸展を狙います。(重さとしては60kg、マックス重量と比べると物足りないレベルです。)
セットを組んでトレーニングを行った結果、ポジションの崩れや膝の捻りを起こさなければ動けるレベルではありました。
次の日は久しぶりに脚の疲労感がありましたが、トレーニングができそうなレベルの疲労でした。
勿論無理をせずに、レストに充てて回復を促します。
※内転筋の強化を行った理由
スクワットによる大殿筋や大腿四頭筋の強化と並行して、内転筋に着目してリハビリを行いました。
理由は2つあり、
- 歩行時や運動時にニーインを起こさないため
- 膝の安定感を出すため
膝の状態を改善するためには、内転筋の筋力強化→動きの安定が必須だと思っていました。
一般に膝の機能回復と言えば、大腿四頭筋が第一選択に浮かぶと思います。
私の考えは、「膝の機能回復」と並行して「膝の負担を減らす」ことを念頭に置いています。
そのため、大殿筋やハムストリングス、それらの安定を担う内転筋に着目してリハビリを行いました。
※リハビリに熱が入った出来事
気持ちに迷いが生じ始めたこのタイミングで、PEAKSの立ち上げについて相談を受けていました。
立ち上げに協力することを即答したと同時に、私が掲げている「治療家スプリンター」として活動できるように、意地でも選手として再起することを誓いました。
〜25日
受傷から3週間が経ち、時期としては亜急性期に入りました。
亜急性期でのマイクロカレントの効果や、動きの状態を確認しながら、少しずつリハビリにも変化を持たせていきます。
歩行もスムーズになり、少し走れるようになりましたが、アップや終わった後のケアを入念に行わないと、膝蓋骨全体に違和感が出ました。(今までは外側のみ)
負荷をかけられるようになった反面、どこまでかけていいのか分からず、加減が難しい時期でした。
まずはjogよりもウォーミングアップやケアを優先、そしてウォークやベンチスクワットの負荷を上げていくように調節しました。
※ベンチスクワット→挙上速度を上げる
この時期に困った事
- 寒さによる痛みの増強
- 患部外に痛みが出てきた
- 体力の低下による疲労感
時期は1月中旬、日中の寒さも厳しくなっていました。
カイロや入浴、保温サポーターを活用していても、冷えを完全に防ぐことは難しいのが実際です。
また、体への負担も少しずつ大きくなり、常に疲労感や膝全体の違和感がある状態が続いていました。
これらの要因が絡み合った結果、想定していたリハビリプランが組めないことも出てきました。
また、運動量の大幅な減少による体力低下も目立つ様になったため、完全休養日(ケアのみ)を作りながら調節を行いました。
コーチのアドバイスもあり、この頃から、根本的な原因を探るために精密検査を検討し始めました。
練習メンバーと久しぶりに会って
年末年始を挟んだこともあり、ケガをしてから練習メンバーとは会っていませんでした。
個人的に連絡を貰うことは何度かありましたが、実際に走れない姿を見せたのはこの時期が最初でした。
幸いなことに、私の周りには膝の手術を行った選手が3名います。
少しでも情報を貰いながら、今後のリハビリや手術の検討などを行うことができました。
何より嬉しかったのは、選手としての復帰を待ってくれていることでした。
どれだけ落ち込んでいても「一緒に走ろう」と励ましてくれたことで、前向きにリハビリができた気がします。
〜30日
この5日は、リカバリーや診察の兼ね合いであまり積極的なリハビリは行いませんでした。
受傷から約1ヶ月、状態としては経過良好、引き続きヒアルロン酸注射と保存療法との話を受けました。
違和感の範囲が大きくなったことを訊いてみると、外側を庇って痛みを起こしているのでは?とのこと。
そして思い切ってMRIでの検査を相談してみました。
反応としてはあまり必要なさそうな雰囲気でしたが、「気になるならやってみる?」との事だったので、2週間後に検査をすることにしました。
焦ってはいませんでしたが、今後のリハビリを決めるためにも、精密検査の必要性を感じていたからです。

診察後2日間はヒアルロン酸の定着を待ち、その後リハビリを再開しました。
ドクターから話があったように、膝を庇って動いていることが大きな問題です。
そのため、より一層大腿部の筋力強化に力を入れ始めました。
EMSによる大腿四頭筋の収縮運動+腹筋群の補強は毎日行い、体幹部からの安定強化を図りました。
この2週は積極的リハビリを行いつつ、今後の方針を考える期間となりました。
この後のリハビリ計画も含め、通常よりもギリギリを攻めつつ、早めの決断をすることが多くありました。
大きな理由は、今回の症例は「私自身のカラダ」であるため、様々な事に挑戦することができるからです。
そのために必要なのは、少しでも多くの情報を手に入れることと、1つでも多くの手段を実践することです。
幸い、リハビリは自身の理論を見直す機会にもなり、比較的成功していたと思っています。
このブログ内で書いたように、精密検査に踏み切るのも相当早かったと思います。
実はこの判断が、後々大きな転機となりました。
リハビリ・手術の時系列
受傷直後
整形外科受診後〜15日
31日〜41日
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