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雨のレース、プロトレーナーが取ったサポート方法

4月12日、13日に開催された東部選手権に、チームトレーナーとして帯同してきました。
先週に行われた春季記録会に続き、新チームPEAKSのトレーナーとして選手のサポートに入ります。
選手は各々シーズンインをしていましたが、チームメンバーが集まった大会は今回が初となります。

2日間に渡る長期戦、そして、メインは2日目にある100mです。
最初は100mのみサポートに入る予定でしたが、天気予報を見ると強めの雨予報。
そこで問題となったのはチームのベンチ割、新設チームかつ少人数出場のため、割り当てがありません。
そして仮にあったとしても、雨風を凌げる場所とは限りません。
私は最適な方法が何かを考えました。
その結論として出したのは・・・

【選手のために1日目の早朝に場所取りへ行こう】

選手がパフォーマンスを落とさない方法私がコンディショニングを行う際に効率を落とさない方法を考えると、雨風の当たらない場所を確保することが必須条件でした。
そして、レースに出場しない私がスケジュールにゆとりがあり、一番動きやすいと思いました。
事前にコーチと相談を重ね、荷物を準備して、

想定していた場所を確保、早く動いたつもりでしたが、他の場所は既に別チームが押さえていたため、ギリギリでした。
ベンチ確保すら大変な今年の富士開催、今後の運営は大丈夫なのでしょうか?

ベンチ

初日は会場や他チームの様子を観察しながら、チームルーキーのサポートに回りました。
2日目にスムーズに動くためにも、時間は無駄にできません。
選手のコンディションやアップ環境を確認して、シミュレーションを行います。

ウォーミングアップ

仕事の都合でコールを見届けて帰りましたが、1日目としては特に問題無く役割を果たせたと思います。

2日目は予想通り雨が振り、集合も選手のアップに合わせて各自調整する形で始まりました。

昨日確保したスペースに、少し変更を加えながらベンチの準備を行いました。

ベンチ

今回最も困ったのは「濡れないスペースの確保」、絶対に濡れないスペースをアップ兼ケアスペースとして活用しました。
今まで様々な場所で活動をしてきましたが、この小スペースは経験したことがありません。

マッサージマット

ギリギリマッサージできるスペースで、続々と選手たちのコンディションを仕上げます。
チームの特性上、100mに出場選手が集結します。
全員をしっかり仕上げるために、配分に注意しながら計画を行いました。

スポーツマッサージ

サポート開始からバタつきましたが、選手も悪天候に苦戦していたようです。
仕上がっていると思ったら記録が出なかったケガによるレースの棄権など、思った様に事が進まないのがレース当日です。

サポートするだけでも堪える寒さ、トラックも濡れて記録は狙いにくいと思います。
この日は他の競技を含め、記録が出ていませんでした。

100m

その中でもルーキーが頑張ってくれました。
決勝まで3本走り切り、PEAKSとして初の表彰台に立ちました。
コーチと修正点を確認しながらコンディションの微調整を行いましたが、何とか直前で形になったと思います。

治療院の名前が表彰台に立った瞬間、サポートを頑張って良かったと思えました。

表彰式

今回のサポートで工夫したこと

今回のサポートで最も条件が悪かったのは「天候不良」、そこを解決するために、私はいくつかの工夫をしました。

  1. ベンチの確保
  2. 荷物の準備
  3. 活動時の服装
  4. 状況に応じてトレーナーが主体で動く

1つ目のベンチについては上記で書いた通り、場所取りのために朝早く動き始めたことが功を成しました。

2.荷物の準備

私が帯同をする時の荷物は、70ℓのスーツケースと防水のバックパックを活用して荷物を詰めています。
特に今回心配していたのは「荷物の濡れ」「ストックの不足」でした。

スーツケース内にあるタオルや着替えなどがしっかり使える様に、必要に応じて厳重にビニール梱包を行いました。
スーツケースの開け閉めや移動時にタオルなどが濡れては問題です。
また、バックパック内に精密機器などを移し替え、こちらも盗難や防水対策を行っていました。

トレーナー 荷物

タオルに関してはいつもの倍の枚数を用意して、「選手の体温を冷やさない」ことに注意をしました。
理由としては、常に乾いたタオルを使い、濡れたタオルで体温を下げない様にするためです。
場合によっては、ケアの途中に体温を下げないために通常より多くのタオルを活用しました。

※1人ケアを行うと、このようにタオル類がグチャグチャになります。
衛生的にも良くないため、今回は特に注意しながら適宜交換を行いました。

マッサージマット

それ以外にも大変だったのは、チーム用のテントやブルーシートなどの運搬でした。
濡れずにチームのベンチが活用できる様に、今回はあらゆる備品が必要でした。
選手の負担とならない様に率先して運搬を行い、選手が到着する前に準備を終える様に、タイムスケジュールを組みました。
結果としては大正解の選択で、快適にベンチを使う事ができたと思います。

3.活動時の服装

荷物以外に今回変更を加えたのは、私が活動する際の服装です。
これは選手たちの雨対策を聞く中で思いつき、結果として成功した手段だと思っています。
準決勝以降になると、私は選手のアップから帯同するケースが多くなります。
直前まで何が起こるか分からないため、一番近い位置で常に選手の状態を観察しています。
そこで打った策は、「雨の中でも動ける服装」「治療道具一式を持ち歩く方法」です。

具体的に何を行ったのか?

一つは「レインコートの着用」です。
作業現場で使われる様な、しっかりした製品を購入しました。

レインコート

私がコンディショニングを行う時に大切なのは、「両手をフリーに使えること」です。
傘だと手が塞がるだけで無く、人数が多い招集所付近ではジャマになってしまいます。
選手と同じ様にレインコートを着用して動くことで、より間近で選手の動きを観察でき、選手の要望に対して即座に対応できました。

コンディショニングに必要な道具に関しても、スーツケースから必要な分を抜き出し、防水のバックパックに詰め替えました。
いつどこでも選手の要望に応えられる様に準備を行ったことで、今まで以上に細かい判断ができたと実感しています。

トレーナーバッグ

※2日目の途中からはこの格好で動き回っていました。
 サポートは楽でしたが、蒸し暑く大変でした。

レインコート

4.状況に応じてトレーナーが主体で動く

今回はチームトレーナーとしての役割だけで無く、受付などの雑務も行っていました。
その中で今回特殊だったのは、アップに行く選手の送迎を行ったことです。
アップ場所が少ないかつ雨を凌げる環境が無いため、コーチの提案で急遽アップ場所を移動することになりました。
私のスケジュールだけで無く、選手のアップ時間やコール時間を考慮しながら、時間に注意して確実に選手を送り届けました。
これが選手だけの集まりであれば、実現するのが難しいと思います。
トレーナーと言うフリーな存在がいることで実現できた、思わぬ収穫でした。

初のチーム帯同を終えて実感したこと

私のPEAKSの一員として声をかけられたのは、プロトレーナーとして選手のサポートをするためです。
メインは選手のコンディショニングですが、2日間を通して、それ以外にも様々な役割があると実感しました。
誰かが裏方に回らないとチームはスムーズに回らない、そのカギを握っているのがトレーナーだと思います。

膝の手術を控えた状態で、常に気を張りながら選手のサポートを続けた結果、終わった後は身体がボロボロでした。
その疲れを超えるくらい、チームに呼んでいただけたことへの感謝と、今までに味わったことの無い達成感に包まれていました。

次のステップは、今回完璧に遂行できなかった「勝ちにこだわるサポート」を実現することです。
チームは私を含めて、出場していない選手がまだ残っています。
来年の同じレースでは、もっとチームが華やかになることを目標にしたいと思います。

PEAKS

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