院長の半月板断裂、定期的にオマケの話をブログに書いていきます。
今回は、「走り方が変わったことによりスパイクが合わなくなった話」をしてみます。
ケガ前の走り方とスパイク
私は元ランナーであるため、スプリンターへの転向を機に、全体的に走り方の矯正を行っていました。
特に変化したのは接地方法、踵接地(ヒールストライク)だったため、前へ向かって転がる様な走り方をしていました。
シューズを見ても、踵の外側がすり減っているのが分かります。
無理に前足部接地をしようとすると、ブレーキがかかりやすくなります。


スプリンターに転向してからは、「面で押す」ことを意識しながら、動きづくりやスプリントを行っていました。
接地によるブレーキをかけないように、つま先を落とさずに、中足部(ミッドフット)付近で接地をしていた感覚があります。
極端に前足部(フォアフット)接地を意識すると、かえってブレーキを助長する可能性があるため、一番接地しやすい中足部で動く様にしていました。

動きづくりやjogでは、この中足部接地が一番しっくり来ていました。
そこからスピードを上げることで、接地時間の短縮や、やや前足部の接地にシフトするため、次第に速度を上げることが容易となります。
私が愛用しているクロノインクス9、中足部よりやや前方に傾斜があります。
これは厚底のクロノインクスネオジャパンも同様で、ミズノ製品の特徴でもあります。
スパイクの形状だけを考えると、私がしたい面で押す走りとは矛盾しています。


一方で、この傾斜を活かした走りが、私の強みとなりました。
傾斜があることにより、素早い前方への重心移動ができるため、「高反発を貰う走り」と言うより、「重心ごと倒れ込んで進む走り」ができます。
薄底のインクスはレスポンスが早いため、メインのスパイクとして愛用し、レースにも使う予定でした。
それと並行して、カーボンシートが入った厚底インクスを慣らしていき、競技力アップの計画も立てていました。
その後に半月板断裂を起こしたため、半年以上スパイクが履けない状態となりました。
手術後に抱えた問題
膝の手術を行い、レース復帰に向けてスパイクを履き始めた時に、違和感がありました。
ケガ前の感覚であれば、狙った接地位置に捉えることができれば、自然と前に進む感覚がありました。
ところがケガ明けにスパイクで走ると、「接地時に一瞬ブレーキがかかる」「ブレーキを避けると前足部接地となり、地面を真下に押しにくい」など、感覚のズレが出るようになりました。
薄底のクロノインクス9ではそこまで違和感を感じませんでしたが、厚底のクロノインクスネオジャパンや、200mで使用したアディゼロアンビションを履いた時に、特に違和感を感じました。
復帰戦2本は200mかつ脚への負担が大きいため、意図的にクロノインクス9を避けましたが、本来であれば、違和感が少ない薄底を使いたいところでした。

では何故、走りに違和感が出たのか?
その答えは単純で、ケガ前と違う走り方をせざるを得なかったからです。
どのように走り方が変わったのか
手術をしたことで一番影響が出たのは、「出力の低下」です。
- 膝の伸展ができないため、地面を押し切れない
- 膝が曲がらず下腿が開きやすいため、リーチアウトを起こしやすい(接地位置によってはブレーキがかかりやすい)
- 筋量低下による基礎的な出力低下
など、膝が引き金となり、走り方が大きく崩れました。
復帰のトレーニングをする中で気づいた事があります。
特に意識していませんでしたが、出力低下を補うために、接地位置が変わっていたようです。
元来フラット気味に接地していましたが、よりフラット(具体的には踵が着くスレスレ)になっていました。
イメージとしては、より面で押しやすくするために、足裏全体を使って走っている事に気がつきました。

別の考え方としては、前足部接地をしようとすると、体重が前脚に乗りやすくなります。
つまり、手術した右膝に体重をかけないように、自然と回避行動を取っていることも想定できます。
特にクロノインクスなどの傾斜があるスパイクの場合、意図せぬタイミングで前に倒れ込む可能性があるため、ケガの再発リスクを伴うかもしれません。
これでは記録が出ないのは勿論、ケガのリスクが高い状態で走る事にもなります。
冬季練習の開始と同時に、来シーズンに向けて、スパイクを変更する決断に至りました。
走り方に合わせたスパイク変更
新しいスパイクは、「傾斜の強い推進力がある物」では無く、「フラット接地でも推進力が得られる物」にポイントを当てて選びました。
しかもコーチからは、「記録を出すために厚底スパイクに慣れるように」と助言を頂いたばかりです。
そこで実践したのは、
短距離スパイクから選ぶ
| フラッグシップ | 傾斜が強いシューズが多いため扱いが難しい 素材も硬いため脚への負担が大きい |
| ミドル | 程良い硬さや傾斜のシューズが多い 200mや400m想定では使いやすい |
| エントリー | 傾斜があっても履きやすいが推進力が弱い 100mのレース想定では物足りない |
選択肢としては、まずはミドルモデルの厚底スパイクを採用するのが適切かと考えました。
今持っている薄底のクロノインクスと並行して扱いを覚え、最終的にはフラッグシップモデルを扱う力を鍛えようと思いました。
※後日談
アシックス「ジェットスプリント3」を購入しましたが、実際に走るとサイズが合わず・・・
補強材が入っているため横幅がキツく、足の指を痛めてしまいました。
フラット接地はしやすいですが、微妙に反発感も弱いため、泣く泣く手放しました。

もう一つの作戦は、
中距離スパイクから選ぶ
前回は、200mのレースや練習で使いやすいスパイクとして、アディゼロアンビションを選びました。
詳しく調べると、他の中距離スパイクは100mのレースでも使えるスペックを搭載しています。
しかも、私が望んでいる「フラットかつ推進力が強いスパイク」がありました。
アシックスの「メタスピードMD」、カーボンプレートがフルレングス搭載された中距離スパイクです。
今までアシックスのスパイクはアッパーが合わず、サイズの都合上履けませんでした。
ここ数年で素材が変わり、ロードシューズと同じアッパーとなったため、履けるようになりました。

メタスピードシリーズはアシックスのフラッグシップモデルであり、MDは中距離スパイクのトップモデルです。
実際にレビュー等を見てみると、800mは勿論、400mなどのロングスプリントやハードルなどでも扱いやすいと評判でした。(むしろ1500mでは、かなりの筋力を要するようで扱いが難しい様です。)
中には100mや200mのレースでも十分使えるとの意見も挙がっていたので、厚底スパイクの導入として選択しました。
足を通してみると、そこまで傾斜は感じないうえに、安定した接地感があり、面で押して走るにはピッタリだと感じました。
実際に走ってみた感想は次回のブログで・・・
コメント