4月に11秒台を出してから4ヶ月、仕事とトレーナーでずっとレースに出られず、7月にエントリーしていたレースはドクターストップで欠場、満を持してレースに復帰できました。
4月以降は選手のサポートとして競技と関わりながら、スプリントの基礎作りを徹底して取り組んでいました。
出られなかった4ヶ月を取り戻すために、苦手な夏場に3本レースにエントリー、私に一番欠けている「レース感」を養うために挑戦をします。
今回のブログでは、レースに挑むまでに挑戦した事をピックアップします。
フォームの大幅修正
11.92を出してから1ヶ月後、練習の一環で行った30m+30mの加速走、2ヶ月で3.23→3.15に縮めることができていました。
換算値であれば11.40〜50が出るはずなのに、実際は0.4秒以上差があります。
課題は明確であり、
- 後半の練習をしていない(シーズンインは60mまでの形作りのみを練習)
- レース全体を通して力み感がある(特に中盤以降は腕振りができない)
- ストライドが小さい(11.92の歩数→55.5歩 特にスタートと後半で伸びていない)
春先に3本走った事で強みだけで無く、弱点が浮き彫りになっていました。
そこで恒例のPEAK Support 川端コーチのレッスンでは、段階的にフォーム修正が始まりました。
第1回 筋弛緩と筋収縮の使い分け
力みの無いフォームを作るためには、必要なタイミングで筋肉を固めることがカギを握ります。
【身体能力を高める→フォームに定着させる】を繰り返し、スプリントフォームに移行していきます。
まずは基礎的な筋肉の使い方を覚え、次第に細かい筋肉を使うことが求められました。
トレーナーの知識を総動員して、身体を細かく操作することに意識を持っていきました。
第2回 全身の連動を意識して走る
仕事の負担が身体に影響し、左腕が変形を起こしていることが判明。
このハンディキャップをどのように埋めるのかが、今後の課題となります。
腕を使って揚力を作り出し、前へ進むエネルギーを作り出す事の重要性を覚えました。
サーフェスを使い分けながらコツを覚え、最後は平面でスプリントフォームに定着させました。
脱力させるために、手の形が【グー→パー】に変わりました。
第3回 脚の引き上げとストライド
ドクターストップから復帰、崩れたフォームを戻しつつ、記録を縮めるためのフォームを作ります。
ポゴジャンプで重心移動を覚え、高い位置での引き上げを作りながらストライドへ繋げます。
マーク走でストライドを伸ばす意識をつけてから加速走を行うと、3.09のベスト。
浮遊感のある自然なストライドの伸ばし方を覚えました。
第4回 ストライドで「間」を作る
持ち味の伸展力を発揮するために、ストライドで「間」を作る動きづくりを行いました。
タイミングを合わせて重心を動かし、自分から地面を捉えに行かない。
手術から生まれたハンディキャップの克服を視野に入れながら、スタートから押す意識を覚えました。
【速く走るために、速く走らない】
矛盾している行為ですが、これがトップスピードを生み出すために必要です。
段階的に基礎から見直し、100mのレース全体を意識した修正を重ねました。
レッスン毎に新たな課題が見つかり、確実にフォーム修正ができています。
この確証を胸に、1本目のTokai Sprint Gamesに挑みました。
パワーを速度に変換する
フォーム修正以外に着目したのはウェイトトレーニング、私の中ではパフォーマンスのカギを握るトレーニングです。
ウェイトトレーニングでは、今まで苦手意識を持っていた【クリーン】を積極的に取り入れました。
理由はただ一つ、スクワットのパワーを速度に変換するコツを覚えるためです。
スクワットは得意とするトレーニングであり、
- フルスクワット:120kg
- クォータースクワット:160kg
- ピンスクワット:185kg
100mの記録に対して、かなりの高重量でトレーニングができています。
重量だけで無く、挙上速度(股関節伸展)も手術前以上に高まっています。
一方で課題となるのが、重量を速度に変換できていない点です。
走りに置き換えると、推進力への変換がまだ十分にできていないと言えます。
重い重量を素早く挙上することができれば、短い接地時間で前に進む(殿部からのトリプルエクステンション→ストライド走)が可能になります。
まずは軽い重量でのミッドサイクリーン(股関節の弾き動作)とキャッチ姿勢を別々に作り、
少しずつ重量Up+ハンググリーンで高重量を上げる。
重量を軽くして素早く上げる動作を覚えます。
まだ形はできていませんが、「スクワットと異なる殿部収縮」の感覚が出てきました。
加えて、ウェイトトレーニングの疲労感がそこまで残らないため、翌日以降のトレーニング計画が組みやすくなりました。
よりウェイトトレーニングと出力を結びつけるために、すぐにジャンプトレーニングを取り入れました。
クリーンで負荷をかけた殿部を中心に伸展を作り、足首の固定を意識して反発を逃がさない動きを作ります。
そして走りに変換するために、最後は全力走を行いました。
治療院に導入した自走式トレッドミル、今までできなかったスプリントトレーニングが可能になりました。
ウェイトやジャンプトレーニングが刺激となり、トレッドミルで本格的な筋刺激が入ります。
「ウェイトを筋肥大や筋刺激だけで終わらせない」
これをトレーニングのカギとして、スプリントまで繋げる組み方を実践していました。
それ以外にも、レッスンで習得した課題の克服や、上半身のウェイトを入れながら、バランス良く負荷をかけていきました。
スパイクの変更
シーズン前から様々なスパイクを試し、メインのスパイクとして「メタスピードSP2」を使用していました。

それと同時期に、長期目線で使い方を覚える目的で購入していたスパイクがあります。
私が使えるスパイクの種類はフラット接地がしやすいもの、必然的に、
【NIKE マックスフライ2】
より高い出力で走るには、これしかありません。
扱い方が難点ではありますが、東部選手権以降、少しずつ練習で慣らしていました。

不安定なエアクッションを正しく潰すことや、傾斜がある分スタブロのセッティングが難しい点など、記録に繋げるには様々な課題克服が必要となります。
特に苦戦したのがスタート動作、エアクッションの厚みが仇となり真っ直ぐ前に押せず、出遅れることが多々ありました。
改善策として、スタート動作だけを切り出して練習してみました。
これが思ったより良い感覚が掴め、次第に違和感無くスタートができました。
何より一番変化があったのは後半の推進力、120mで比較すると差があり、マックスフライ2の方が記録が出ていました。
スタートの感覚も掴めた頃だったので、思い切ってマックスフライ2に変更して調整を始めました。
パンクのリスクがある点と、エアーの抜けでパフォーマンスが落ちるのが怖いため、すぐに2足用意しました。
練習用とレース用を使い分けながら、当日まで調整を重ねました。

4ヶ月と言う長い時間、仕事やドクターストップなどもあり、想定よりもトレーニングが順調には進みませんでした。
その中で着実にできる事を継続して、少しでもタイムが縮められるように準備をしてきました。
次のブログでは、レース前の調整や当日の話を振り返ります。
- Tokai Sprint Games 100m 11.77(+0.6) 3着 PB
- 中部陸協記録会 100m 12.08(-2.4) 1着
- 東部強化記録会 100m 11.84(-0.6) 1着 2nd PB

レース前の状態で、結果は決まる
- 身体が重いままスタート
- 痛みや違和感があり不安
- 緊張で力が出し切れない

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