この日をどれだけ待ち望んだことか、スプリンターに転向して約2年、ようやく100mのレースに出場できました。
初戦の今回は記録に拘らず、100mのレースを体験することに重きを置き、様々な経験をしてみようと思いました。
タイムスケジュールの予測
昨年の復帰戦はマスターズ大会、人数や組数が限られているため、比較的、計画通りのスケジュールで動くことができました。
今回は一般の記録会、組数が42組あり、私の出走は22組です。
そのため、コール後の時間が長い点や、出走時刻の前後が予測されるため、計画の微調整が必要です。
大まかな計画としては、
- 会場入り〜Up開始:コンディショニング(ケア)
- コール前:モビリティー〜アクティベーション
- コール後:動きづくり、WS、スパイク合わせ、定期刺激
十分なレストを確保しながら、じっくり体を動かすように計画を組みました。
大枠を決めてから、補食の内容や着替えの時間などを当てはめ、少しでもUp効果を落とさないように計画を組みました。
結果
Upや補食の内容は適切でしたが、Up開始時間が早く、後半は時間を余らせてしまいました。
コール前Upが予想より早く終わり、コール後Upを早めに行うことにしました。
このズレが大きく響き、スパイクSDやジャンプなどでUp効果を持たせることになり、予想よりも動きが多くなりました。
今回の様に組が遅くなる場合、時間としては10〜15分程度、Upの時間を遅らせても良さそうです。
もう一つ想定外だったのは、出走時刻が当初の計画より10分程早まったことです。
朝の段階で初めて知りましたが、後半の組はスタブロ合わせの時間が短くなり、1組2分程度でレースが組まれるようです。
知った段階で計画を組み直したため、そこまで影響は出ませんでしたが、次回からは、この時間変更も念頭に置いた計画が必要そうです。
膝の対策
トレーニング段階からコンディション自体は良好のため、動き自体に不安要素はそこまでありませんでした。
それに伴って心配だった要素は、「膝に負担がかかること」です。
動きが大きくなる、スピードが上がることは、膝にも衝撃や伸張ストレスがかかることを意味します。
そこで対策として考えたのは、
- 事前に動きやすい状態に仕上げる
- Upである程度負荷をかけておく
- 日頃からケアを入念に行う
この3点です。
膝の動きを改善するために有効なのは、温熱療法が第一選択となります。
日頃のケアでは超音波治療器や入浴を活用し、患部を直接温めることで可動域の確保を行いました。
当日は少し方向性を変え、朝にシャワーを浴びる、Up前までお灸による温熱を与える、ホットジェルとタイツによる脚全体の保温など、出走直前まで体を冷やさない工夫を盛り込みました。


結果
Up段階では少し膝に響く感じがありましたが、スプリントを行う頃には特に痛みも出ず、レース後も悪化した感じはありませんでした。
100mを全力で走ったのは術後初めてでしたが、今回無事に走り切れたことで、膝に対する不安感や恐怖心は薄くなってきました。
今後はケアなどを含めて、対策をしながらトレーニングの質なども上げていく予定です。
レース前の仕上がり/レースの内容
冒頭にも書きましたが、今回は大幅な自己ベスト更新を目指さず、100mのレースを経験する事を第一にレースプランを組みました。
特に意識をしていたのは60m付近まで、前半で抜け出す作戦を立てているため、2月のシーズン移行期からは重点的にトレーニングをしていました。
直前の加速走では、11秒中盤が狙える可能性が出てきたため、調子を落としたとしても、練習通り走れれば余裕を持って抜け出せると考えていました。
前日調整や当日のUpでも調子は良く、調整をしていない割には動きやすかったです。
むしろ、トレーニング内容の調整よりも、ケア時間や睡眠時間の確保を優先して行ったため、想定以上の仕上がりでレースを迎えられました。
実際に走ってみて
調子も良く集中もできていたので、ある程度の記録は期待できていました。
実際に走ってみると、レース経験の無さが大きく影響し、思った通りに力を出し切れませんでした。
- スタートでストライドが伸びない
- 焦ってピッチ走で加速をする
- 起き上がりが早い(5〜10m短い)

得意とするスタートで多くのミスがあり、無理やり加速をする形だったと思います。
何とか中間層へ入るまでにトップに立つことはでき、最後まで差されずに逃げ切ることはできました。

レース中から気づいていましたが、一番の失敗は「全身の力み」です。
スタートでのミスが引き金となり、全身に力が入り、特に上半身の硬さが動きのジャマをしています。
距離で見ると、50m付近で脚の動きが硬くなり、そこから先はもがくようにゴールまで辿り着きました。
ショートスプリントでバテる感覚を経験したのは、これが初めてです。
また、逆走を初めて経験したことも影響がありました。
トレーニングでは順走がメインのため、見慣れない景色やゴールの位置に違和感がありました。
それに加えてゴール手前のバテもあり、最後まで駆け抜けることができませんでした。
今回は敢えてサブのスパイク、メタスピードMDで出場しました。
レースを通して脚への負担は少なく、走りやすいスパイクではありますが、もう少し推進力が欲しいところでもあります。
次はメインスパイクで走ってみても良さそうです。

今後の課題
何より優先しなければならないことは「レース経験を積むこと」ですが、レース出場はチャンスが限られます。
代用として活用できるのは、「トレーニングで記録を取る」事と、「対人戦を組むこと」です。
とにかく、どのような状況であっても自身の能力を100%発揮できる力を身に付けることが、自己ベスト更新に大きく繋がります。
今回のレース、調子は良いのに記録に繋がらなかったのは、持っている力を出し切れなかったことは明確です。
動画を見返すと弱点や改善点が多く見つかったため、初戦としては及第点だと想います。
ケガから競技復帰できたことは喜ばしい出来事ではありますが、それ以上に悔しい気持ちが残っています。
私も含め、周囲からも記録に期待がかかっている状態、その中で力を発揮できなかったこと、これが一番悔しいです。
今まで様々な種目で勝負をしてきましたが、ここまで悔しさを感じるのは、勝負に賭ける想いが強かったこと、応援に応えきれなかったからだと思います。
これでようやく、スプリンターとして活動が始められました。
ここからがスタート、悔しさを力に変えて、PEAKに向けての挑戦が始まります。
100m 12.04(+0.4) 組1着
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