足底腱膜炎/足底腱膜炎
このようなお悩みありませんか?
- 歩くと踵や足の裏に痛みがある
- 足底筋膜炎を繰り返す
- 足底筋膜炎を未然に防ぎたい
目次
足底筋膜炎とは
歩行時やランニング時に、足底筋膜に過度な牽引ストレスや圧迫ストレスが加わり、炎症を起こしている状態です。
具体的には、足底筋膜のクッション機能が低下して過剰なストレスが加わり、足底筋膜と骨の付着部間で炎症が起こります。
足底筋膜は体で唯一地面に触れるため、動くときは常に衝撃や体重による負担を受けています。
そのため、正しく処置を行わないと回復と再発を繰り返し、スポーツや日常生活に支障が出ることもあります。
※本ページでは足底筋膜炎の表記で進めます。
足底筋膜炎のメカニズム
足底筋膜炎は、スポーツ中や日常生活の様々な場面で発生します。
歩行やランニング、ジャンプ動作などにより、足底筋膜に繰り返しの牽引ストレス(伸び縮み)がかかります。
繰り返し負荷がかかることで足底筋膜の線維に、小さな断裂や炎症、むくみが起こります。
足底筋膜炎とは、この断裂や炎症が痛みを起こしている状態です。
足底筋膜炎の症状
朝一番に痛みが強い
「動き始めに痛みが強く出る」と訴える方が多くいます。
睡眠中は足の指や足首の動きが少なくなるため、足底筋膜が短縮状態で固まりやすくなります。
固まった状態の足底筋膜が引き伸ばされることで、足底筋膜の付着部(特に踵付近)が刺激され、鋭い痛みが出るのが特徴です。
踵の内側や前側に痛みや硬さが出る
足底筋膜は、踵骨の内側前方に付着しています。
この部位に炎症が起こっている場合、押すと痛みが強く出ることが多くあります。(圧痛の出現)
- 立ち上がりの瞬間
- 踵が床に着く瞬間
- 踵に体重がかかった時 など

身体の構造上、様々な場面で踵を付くことが多くあります。
そのため、頻繁に牽引ストレスがかかりやすく、症状を繰り返すケースが多く見られます。
踵以外にも、土踏まず(内側縦アーチ)や足趾の付け根(MP関節付近)に痛みを生じることがあります。
好発の頻度としては、踵→土踏まず→足趾と言われています。
踵の付近の痛みは注意が必要
踵には外側足底神経(脛骨神経の枝)が走行しているため、足底筋膜に硬さがあると絞扼を受けます。
これにより、足のしびれや痛みを引き起こすことがあります。
また、慢性的な足底筋膜炎の場合、踵に骨棘(過剰な骨)が形成されることがあり、足底筋膜を刺激しやすくなります。
骨棘を対処しないと痛みが続くため、非常に厄介な状態となります。

足底の張り感や重だるさ
足底筋膜炎は「局所的な鋭い痛み」だけで無く、足底全体の張りや重だるさ、突っ張るような違和感を伴います。
- 起床時
- 運動後
- 立ち仕事後
このような状態の時に、「伸ばされているような張り感」が出やすくなります。
下腿三頭筋の硬さが影響することがある
下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)の硬さは、足底筋膜の牽引力を強くします。

症状が増悪/軽減しやすい
足底筋膜炎の痛みは「波のある痛み」と言われます。
- 動き始めは痛みが強い
- 動いてくると痛みが軽減される
- 動きすぎると再び痛みが強くなる
このように、ウォーミングアップによる軽減と負荷をかけた後の増悪を繰り返します。
スポーツ選手に多いパターン
- 練習開始直後/アップ中は痛みが強い
- アップが終わると痛みが軽くなる
- 練習後や翌日の朝に痛みが強くなる
このサイクルを繰り返すことが多いため、症状が慢性化しやすくなります。
足底筋膜炎の好発
足底筋膜炎は、「アーチの崩れを起こしやすい人」や「衝撃を繰り返す動きをする人」に多く見られます。
アーチの崩れを起こしやすい人
好発年齢
40〜60代に特に多く発生します。
足底筋膜の柔軟性低下や、内側縦アーチの支持力低下などが原因とされます。
結果として、若年層よりも微細損傷が起こりやすくなります。
※20〜30代であっても、運動や仕事の内容、柔軟性の低さなどによっては発生しやすくなります。
アライメント不良
| 偏平足(アーチが低い) | 足底筋膜に牽引ストレスがかかりやすい |
| ハイアーチ | 衝撃吸収力が低くストレスがかかりやすい |
| 回内足(オーバープロネーション) | 踵が内側に倒れる→足底筋膜の付着部が引っ張られやすい |


体重増加/肥満によるストレス
足底筋膜に慢性的な牽引ストレスがかかるため、通常体型の方よりも発症リスクが高くなります。
また、妊娠中や産後は一時的に発症率が高くなりやすいと言われています。
衝撃を繰り返す動きをする人
スポーツによる足底への負担
| 陸上競技(トラック全般) | 着地衝撃の繰り返し、急な練習量の変化、消耗したシューズの使用など |
| バレーボール・バスケットボール | ジャンプ/着地動作の繰り返し(特に片脚での動作)、急ストップ/方向転換など |
| サッカー | ダッシュやキック動作によるストレス、薄いスパイクでのプレー、硬い人工芝でのプレーなど |
仕事による足底への負担
接客業や現場作業など、長時間立ち続ける仕事をする方に多く見られます。
足底筋膜に慢性的な牽引ストレスがかかりやすく、次第にアーチの崩れなどを起こしやすいためです。
また、安全靴などの硬い素材の靴や、沈み込みが大きい柔らかい靴などでの作業は、痛みを助長することに繋がります。
足底筋膜炎の診断
症状の確認
足底筋膜炎の疑いがある場合、痛みが発生した状況などを確認します。
特に重要となるのは、症状の特徴や痛みの出方です。
- どのような動作で痛むのか?(例:ダッシュ・ジャンプ・急な方向転換)
- どのような痛みがあるのか?(例:ズキズキ・腫れがある・熱っぽい・ストレッチができない など)
特徴的な症状
- 朝一番に痛みが強く出る
- 踵の内側にピンポイントの痛みがある
- 長時間歩いたり、走ると痛みが強くなる
- 動き始めに痛みが強く、動き出すと楽になる
視診による確認
特に足部アライメントを中心に、身体のバランスや歩行動作を確認します。
- 足底アーチ(偏平足・ハイアーチなど)
- 足首の倒れ込み(オーバープロネーション)
- 足首の可動域


触診による確認
圧痛ポイントの確認
踵骨の内側前方(足底筋膜の付着部)を押して痛みがある場合、足底筋膜炎の疑いが高くなります。
それ以外にも、下記のポイントを確認しながら、総合的に判断します。
- 足底アーチの緊張
- 足首の可動域
- 下腿三頭筋やスネ(前脛骨筋/後脛骨筋)の張り など
機能検査
ウィンドラステスト
母趾を背屈(上向き)させて足底筋膜の張りを出す
→足底〜踵に鋭い痛みがあれば陽性
踵立ちテスト(ヒールライズテスト)
片脚でつま先立ちをして痛みを再現する
土踏まずの崩れ(足首の回内)が起こると痛みが出やすい
歩行評価
- 過度のすり足
- 外側/内側荷重(踵⇔小趾球⇔母趾球のバランスチェック)
- 歩き始めで痛みがある
- 踵接地時に痛みが強まる
ストレッチテスト
関連する筋肉(下腿三頭筋)の柔軟性をチェック(足首の可動域チェックを含む)
画像診断
詳しい損傷部位の判断や骨棘の有無の確認で用いることがあります。
超音波/エコー
- 足底筋膜の肥厚(厚さが4mm以上)
- 付着部の炎症/血流増加
- 骨棘の有無
X線/レントゲン
- 骨棘の有無
MRI
- 筋膜の炎症・損傷範囲の断定
- ストレス骨折(疲労骨折)の除外
- 神経障害の評価
コラム
足底筋膜炎の原因はシューズにある?
足底筋膜炎の要因の一つに、「正しいシューズ選び」ができていないケースがあります。
シューズは体の一部であり、パフォーマンスやケガの予防に大きく関連しています。

足底筋膜炎に繋がるシューズの要因
- 正しい履き方を知らない
- サイズが合わないシューズを選んでいる(サイズが大きい場合が多い)
- 消耗が激しい(ソールのすり減り、クッション材の潰れ など)
- 目的に合わないシューズを選んでいる(アップ用と本番用の違い など)
- 不適切なシューズの加工をしている(インソールの使用 など)
足底筋膜炎の原因は数多くありますが、シューズの調整を行うことが予防に繋がると考えられます。
身体のメンテナンスやトレーニングに加えて、シューズのメンテナンスをしてみませんか?
| 初回(サイズチェック/履き方講習など) | 1,500円(税込) |
| 2回目以降(シューズ調整) | 500円/1足(税込) |
足底筋と足底筋膜の違い
足底筋と足底筋膜はどちらも足底筋膜炎に関係していますが、細かな違いがあります。
足底筋とは
足底筋は大腿骨から踵骨内側に付着する筋肉で、下腿三頭筋の下に走行している筋肉です。
役割は下腿三頭筋(腓腹筋)と同じで、膝関節の屈曲と足関節の底屈です。
しかし、筋肉が小さく作用も弱いため、下腿三頭筋の補助筋と言うことができます。

足底筋膜とは
足底筋膜は、踵からつま先に向けて扇状に張っている薄い膜です。
足底アーチの形を保って衝撃を減らす「トラス構造」や、吸収した衝撃を推進力に変換する「ウィンドラス機構(巻き上げ機構)」などで活躍します。

このように、足底筋と足底筋膜は名前が似ていますが、走行する場所が大きく異なります。
つまり、足底筋膜炎における障害部位として適切なのは「足底筋膜」となります。

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