オスグッド・シュラッター病
このようなお悩みありませんか?
- 膝周辺に痛みがある
- オスグッド・シュラッター病を繰り返す
- オスグッド・シュラッター病を未然に防ぎたい
オスグッド・シュラッター病とは
オスグッド・シュラッター病は、ジャンプ競技による膝の曲げ伸ばしや、ダッシュの繰り返しによって起こるスポーツ障害です。
膝蓋骨(膝のお皿)の下に痛みや腫れを生じ、程度によっては腫れることもあります。
成長期に発生しやすいため、「成長痛と思っていたらオスグッドだった」というケースも見かけます。
膝周りのスポーツ障害は種類が多く、症状や発生原因などから原因を詳しく鑑別することが重要です。
オスグッド・シュラッター病のメカニズム
ジャンプや着地、ダッシュなどを繰り返す事で、大腿四頭筋(前モモ)に負担がかかります。
負担がかかることで大腿四頭筋が硬くなり、膝蓋靱帯を通じて脛骨粗面を引っ張ります。
繰り返し牽引ストレスがかかることで、脛骨粗面に微細損傷を起こし、炎症や痛みを起こします。

牽引と修復を繰り返すことで脛骨粗面がコブのように出っ張り、常に脛骨粗面が引っ張られる状態となり、症状が強まります。

オスグッド・シュラッター病の症状
オスグッド・シュラッター病のメインとなるのは、「脛骨粗面の痛み」です。
脛骨粗面の腫れ/圧痛
牽引と修復を繰り返すことで、脛骨がコブ状に盛り上がることがあります。
最初は軟骨が柔らかくプニプニしていますが、次第に硬さが目立ってきます。
また、脛骨粗面を押すことで限局的な圧痛があり、鋭い痛みや響くような痛みが特徴的です。
オスグッド・シュラッター病の発生は片側だけの発生が多いですが、成長スパート期(急激な身長の伸び)の子どもは両側に出ることもあります。
スポーツ中/スポーツ後の痛み
- ダッシュ
- ジャンプ/着地
- キック動作
- スクワット(膝の屈伸) など
膝の動きを伴う動作によって、膝蓋靱帯が牽引されて痛みが起こります。
運動後は、膝の熱感や重だるさ、張りが出ることもあります。
運動による痛みは休むと軽減されることが多く、痛くてもスポーツを継続している選手を多く見かけます。
オスグッド・シュラッター病の好発
オスグッド・シュラッター病の好発は、年齢的要素に特徴があります。
好発年齢
10〜15歳前後の成長期の子どもに最も多く発生します。
その中でも特に、
- 小学校高学年〜中学生
- 成長スパート期(身長が急に伸びている時期)
に症状が目立ちます。
好発年齢が成長期に近いため、成長痛と混同されることが多くあります。
好発スポーツ
オスグッド・シュラッター病は大腿四頭筋の影響を受けるため、様々なスポーツで発生します。
| サッカー | ダッシュ・急停止・切り返しの連続、キック動作など ★最も発症が多いスポーツ |
| バスケットボール | ジャンプ/着地動作の繰り返し、ストップ動作による急ブレーキ、急な方向転換など |
| バレーボール | ジャンプ/着地の繰り返し、ブロックやスパイクでの強い踏み切り(垂直方向の負荷) |
| 陸上競技 | スタートダッシュ時の強い牽引、強い動作での踏み切り、長時間のランニングなど |
| 野球 | 瞬発的なダッシュ、投球時の強い踏み込みなど |
| テニス | 繰り返しのサイドステップ・切り返し、急加速/急減速(横方向の負荷もかかる) |
| ハンドボール | ジャンプ/着地、シュート動作の踏み込み(上方向/前方向の負荷) |
オスグッド・シュラッター病の診断
症状の確認
足底筋膜炎の疑いがある場合、痛みが発生した状況や程度、競技歴などを確認します。
- どのような動作で痛むのか?(ダッシュ・ジャンプ・膝の屈伸など)
- どのような痛みがあるのか?(例:ズキズキ・腫れがある・熱っぽい・ストレッチができない など)
- 急に身長が伸びていないか?(成長スパートの確認)
- 練習量や競技について(今までと変化があったのか?)
視診による確認
膝の周辺(脛骨粗面)の腫れや盛り上がりが無いかを確認します。
オスグッド・シュラッター病の場合、視診の段階で特徴的な所見が見られます。
- 脛骨粗面が盛り上がっている
- 左右差がある(健側と比較できる場合が多い)
触診による確認
脛骨粗面を触って、圧痛や熱感を確認します。
圧痛がある場合、オスグッド・シュラッター病の可能性が高くなります。
- 脛骨粗面を押すと強く痛みがある
- 脛骨粗面の周囲に張れや熱感がある
機能検査
大腿四頭筋に負荷のかかる動作を行い、痛みの再現や膝の可動域を確認します。
- 片脚スクワット
- 軽いステップやダッシュ
- ジャンプ/着地
- 膝の屈伸
膝の可動域検査
屈伸やスクワット動作時に、屈曲60〜80°で痛みがあります。

画像診断
機能検査までの流れで大まかに判断できますが、状況に応じてレントゲン検査を行う場合があります。
痛みが強い場合や長期間改善が見込めない場合、脛骨の剥離骨折などの疑いがあります。
- 脛骨粗面の隆起
- 成長軟骨の状態
- 炎症の度合
コラム
オスグッド・シュラッター病の原因はシューズにある?
オスグッド・シュラッター病の要因の一つに、「正しいシューズ選び」ができていないケースがあります。
シューズは体の一部であり、パフォーマンスやケガの予防に大きく関連しています。

オスグッド・シュラッター病に繋がるシューズの要因
- 正しい履き方を知らない
- サイズが合わないシューズを選んでいる(サイズが大きい場合が多い)
- 消耗が激しい(ソールのすり減り、クッション材の潰れ など)
- 目的に合わないシューズを選んでいる(アップ用と本番用の違い など)
- 不適切なシューズの加工をしている(インソールの使用 など)
オスグッド・シュラッター病の原因は数多くありますが、シューズの調整を行うことが予防に繋がると考えられます。
身体のメンテナンスやトレーニングに加えて、シューズのメンテナンスをしてみませんか?
| 初回(サイズチェック/履き方講習など) | 1,500円(税込) |
| 2回目以降(シューズ調整) | 500円/1足(税込) |
成長痛との違い
オスグッド・シュラッター病はスポーツ起因の障害のため、成長痛と所見が大きく異なります。
| オスグッド | 成長痛 | |
| 10〜16歳(小中学生) | 好発年齢 | 2〜14歳(特に3〜5歳) |
| 膝への繰り返しの負担 | 原因 | 原因不明 |
| 運動時のみ痛みがある (重症→安静時痛) | 痛みの頻度 | 不定期 (夕方〜夜間痛が多い) |
| 脛骨粗面(膝下の出っ張り) | 痛みの場所 | 足全体(個人差あり) |
| 脛骨粗面の骨端変形 骨片の遊離 | レントゲン所見 | 異常が見られない |
偽オスグッド
オスグッド・シュラッター病に似た痛みを起こすが、発生原因が異なる「偽オスグッド」があります。
両方とも可動域制限や痛みを起こしますが、原因の根本が異なります。
| オスグッド・シュラッター病 | 骨盤の後傾による膝蓋靱帯の牽引 大腿四頭筋の収縮による痛みの発生 |
| 偽オスグッド | 膝蓋骨の位置がズレている ※骨盤の後傾は関与しない |
偽オスグッドの鑑別方法
痛みが出る動作
偽オスグッドは大腿四頭筋と関係性が無いため、しゃがみ込みの途中で痛みが出ることは少ないです。
ポイントとなるのは、「膝の可動域」です。
膝の可動域自体が悪くなっているため、偽オスグッドの場合、膝の最大屈曲(しゃがみ込みの最後)で痛みが出てきます。
簡易的な判別方法として、大腿四頭筋のストレッチがあります。

股関節の屈曲可動域
オスグッド・シュラッター病は、骨盤の後傾が痛みに関係するため、痛みがある側の股関節可動域が狭くなります。

偽オスグッドでは、痛みがある側の股関節可動域が大きくなります。

膝蓋骨の位置
オスグッド・シュラッター病は、大腿四頭筋が膝蓋靱帯を上に引っ張り上げるため、膝蓋骨の位置が通常よりも高くなります。

偽オスグッドは、大腿四頭筋や骨盤の影響を受けないため、膝蓋骨の位置は正常もしくは低くなっていることがあります。

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