スプリンターの半月板断裂日記、14回目は【動きづくりによるスプリント動作の再獲得】について、手術後3ヶ月〜レース復帰までに行ってきた取り組みについて話をしていきます。
膝の機能回復や体脂肪減少のトレーニングを順調に行い、段階としてはスプリント動作の再獲得までやって来ました。
引き続き、PEAK Support 川端公人コーチのレッスンを受けながら、まずはレース復帰に向けて改善を図った事を紹介します。
jogからフォームを見直す
減量目的のトレーニングを中心に行っていたため、走ること自体1ヶ月ぶりでした。
基本となるjogから動きを作りますが、この段階でエラーが山積み。
全身の動きは硬く、体重をかけることに恐怖心があり、脚の動きに左右差が大きくあります。
動画では大きく動くことを意識していますが、それでも本来のjogとは動作が大きくかけ離れています。
まずは股関節の引き上げから作り、そのままjogに移行します。
この動画は特に左右差が分かりやすく、
- 右膝がたためない
- 股関節の引き上げができない
- 真下に体重を乗せられない
スプリント動作の修正どころではありません。
端的に言うと、走り方が分からない状態になっていました。
この1ヶ月半後にレース予定がありましたが、出場はかなり怪しい状況です。
手術前から、右膝が常に曲がっている状態で生活をしていたので、真っ直伸ばすことができなくなっています。
この状態で不自然なjogをしていた結果、崩れた走り方が身についていたと考えられます。
様子を見ながら患部に負荷をかけていく
ケガ前から弱点であった「地面を押す感覚」を、リハビリを兼ねて実践しました。
私の特徴として、脚の前さばき(素早い脚の入れ替え)は得意ですが、地面からの反力を使って進むことが苦手です。
言い換えると、ランナー特有のピッチ走法が強く、ストライドを伸ばすことが苦手な走りをしています。
そこで取りかかったのは「ギャロップ」、脚の伸展を活用して、ストライドを出すことに意識を置きました。
ここで問題となるのは「どこまで膝に負担をかけられるのか」、最も恐れている膝の伸展と片脚着地が入るため、負荷を見極めながら挑戦します。
- 空中で膝をたたむ
- 自分から脚を置きに行かない
- 遊脚で推進力を作る(逆脚で進まない)
とにかくフォームに注意を向け、膝に少しでも痛みを出さないように実践しました。
段階的に遠くへ進む意識を付けていき、それと同時にスピードを上げていきます。
想定していたより膝の痛みは出ませんでしたが、jog同様、左右差が目立ちます。
レッスンの最後にはここまで出力を出すことができ、手術後では一番スピードを出して走ることができました。
注意すればここまでスピードを出すことができたので、段階的に心理的恐怖は薄れていった気がします。
膝が前方向にズレる危険性が高いため、テーピングによるサポートを提案されました。
武器であるスタートの獲得
復帰に向けて大きな壁となるのは、フォーム修正と心理的恐怖の克服。
この2つは、急いで解決できることではありません。
走り始めてからは、
- 引き続き体脂肪の減量
- 筋力の確保
- フォーム修正
これらをバランス良く組み合わせながら、9月に予定しているレース復帰に向けてトレーニングを行いました。
フォーム修正と並行して再獲得を行ったのは、「スタート練習」です。
レース復帰のプランとして考えたのは、
- 得意とするスタートから距離を伸ばす
- 全体のフォームを見直してスピードを上げる
この2つがありましたが、今回は前者を選択。
走りの特性上、ケガ前からスタートで出遅れると挽回が難しく、レースが成り立たない事が想定できました。
そこで、少しでもレースの形ができるように、前半の動きから再構築することに決めました。
スタブロ自体8ヶ月ぶり、そして、膝がどこまで機能するのか分からない状態でのスタート練習。
案の定膝の完全伸展ができないため、押す力自体は弱くなっていました。
勢い良く出ようとすると膝に衝撃が加わり、負担がかかっているのがよく分かります。
ここは無理に押そうとせずに、可能な限り膝を伸ばす意識を持って、安全かつ速く前に出られるように意識しました。

想定より怖さは無くスタートできたので、レッスンの内容を含めて繰り返しトレーニングをします。
次第に押す感覚も戻ってきたので、60m付近まで距離を伸ばし、スムーズな加速を再現できるようにしました。
まずは100m走り切るところから
ある程度スパイクを履いても大丈夫だったので、少しずつ距離を伸ばしていきました。
復帰戦は200mですが、まずは100mをスピードを出して走ることから慣らしていきます。
術後3ヶ月半経過の段階ではシューズで8割、その3週後にはスパイクで8割、全力は出さずに、トレーニングの最後に1本挑戦しました。


感覚としてはスピード感があり、膝に対する恐怖心もそこまで感じませんでした。
終わった後の違和感は残りましたが、次第にスプリントの感覚が出てきたことが安心材料となりました。
復帰段階としては順調、当初の計画よりハイペースで進んでいたと思います。
順調な反面、ここからより一層、慎重にトレーニングを進める必要がありそうです。
無理に攻めてケガをしては意味がありませんし、守りに入っても元の状態には戻りません。
そんな状態の中で、いよいよ復帰レースが近づいてきました。
スプリンターの半月板断裂日記、最終回は、復帰レースのプランについて、振り返りブログを更新します。
リハビリ・手術の時系列
受傷直後:スプリンターが半月板断裂を起こした話
整形外科受診後〜15日:半月板断裂初期に行っていたリハビリ
16日〜30日:半月板断裂 積極的リハビリと精密検査の決断
31日〜41日:半月板断裂と円板状半月板
42日〜61日:半月板断裂 思い切って攻めたリハビリを行う
セカンドオピニオン/手術前リハビリ:半月板断裂 セカンドオピニオンと手術前リハビリ
手術前の準備/不安だったこと:半月板断裂 手術前の準備 不安だったこと
入院/手術の話 退院後のリハビリ:半月板断裂 入院/手術の話 手術後のリハビリ
手術後1ヶ月:半月板断裂 手術後1ヶ月間のリハビリ
手術後1ヶ月②:半月板断裂 手術後1ヶ月間のリハビリ②
手術後のアイシング−考察:膝手術後の腫れとアイシングの考察
アスレティックリハビリテーション:スプリント動作を再獲得するためのリハビリ
減量について:体脂肪増加によるパフォーマンス低下/減量の作戦
スプリント動作の再獲得:本ブログ
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