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半月板断裂 スプリント動作を再獲得するためのリハビリ

スプリンターの半月板断裂日記、12回目は【スプリント動作を再獲得するためのリハビリ】について、競技復帰に向けて本格的なリハビリ、アスレティックリハビリテーションが始まりました。
手術から1ヶ月が経ち、最初の目標としていたjogができるようになり、リハビリのバリエーションも増えてきました。
そこで次のステップとして、手術前からお世話になっているPEAK Support 川端公人コーチのサポートを受け、長期間に渡る復帰計画が立てられました。

膝の機能回復をするために

スプリンターとして復帰するためには、「手術前よりも膝の強度を高めること」が絶対条件となります。
ケガ前の状態に戻すだけでも一苦労ですが、それ以上のコンディションを整えないと、以下の不都合が発生すると考えられます。

競技の最終目標である自己ベスト更新のためにも、膝の機能回復はリハビリの最優先事項となります。
とは言っても、いきなり患部に負荷をかけるのは再受傷のリスクが高い、そして、リハビリの効率が大きく下がります。
膝の状態を適宜確認しながら、段階を踏んでいく方針となりました。

術前も同様でしたが、最も怖かったのは「膝の伸展」です。
左脚の引き上げと右脚の伸展を連動させて、安全な範囲で伸展訓練を行います。
動画は右脚ですが、左脚の伸展と大きな差がありました。
左脚は完全伸展がスムーズにできましたが、右脚は伸展ができず、理想とする方向に引き上げができません。

スタートはスプリントの基本となる、正しい動きの獲得からでした。
※今見返すと、脚が細くなっているのがよく分かります。

できる範囲で患部に負荷をかけ始めます。
股関節と膝の伸展を目的に、ピンスクワットを取り入れました。
殿部で床を押して膝の伸展をしますが、完全伸展ができていないのがよく分かります。
曲がった状態でフィニッシュをするため、殿部や大腿四頭筋に狙った負荷をかけることができていません。

術後しばらくしてからハーフスクワットを取り入れましたが、膝に体重がかかることの不安や、伸展動作に恐怖がありました。
ピンスクワットであれば、動きが小さくなる分動作が安定するため、安全かつ効果的にリハビリができそうです。
そして、弱っている右側を重点的に強化できるメリットもあります。

  • バンドでフォームを安定させる
  • 踵のプレートを挟んで膝の負担を減らす

通常と違う準備を行い、安全に動作の再獲得を行います。
手術前も気になっていましたが、右側の不安定感がより顕著になっています。(引き込みが甘いため骨盤の右回旋が起きています。)
脚のアライメントに細心の注意を払いながら、股関節を十分に引き込み、殿部収縮による股関節伸展を目標に回数を重ねます。

膝に負担をかけずに股関節や殿部を活用する、正しいフォーム習得の継続が求められました。
一方で、両脚で重量を上げることよりも、弱った右脚を重点的に鍛えるピンスクワットを中心に行うようにアドバイスを受けました。

患部外トレーニングは積極的に

膝は慎重にリハビリを積む必要がありますが、それ以外のトレーニングは攻めて行う方針となりました。

できるトレーニングが限られている中で、習得に時間がかかるクリーンに挑戦しました。
スクワット以上にスプリント能力に直結するクリーン、膝に負担をかけないように注意しながら、フォームを分解してそれぞれ練習を行います。
膝自体に痛みは起こらず、比較的スムーズに型を覚えることができました。

スクワット以上に動作が多く、それぞれが細かいため、重量を上げるためには細かい修正が必要です。
まずは自体重をスムーズに挙げられるように、自主練習を繰り返すのみです。

走らずに極限まで身体を追い込むことができるのがPowerMax、最強のトレーニングバイクを、身体能力評価からパフォーマンスアップまで活用しました。

  • 初回

無酸素パワーテスト(短時間で発揮されるパワー):術前より低下 特に高負荷をかけると回せなくなる
低負荷:術前の回転数とそこまで変化無し

予想通り数値は落ちていましたが、回復の指標としてはそこまで悪くなかったようです。
課題となるのは、低負荷の回転数を上げることそれ以上に高負荷を回せるようになることです。
言い換えると、ピッチを出すことよりも、出力強化が大きなカギを握っているようです。

  • 2回目

弱点である高負荷パワーをインターバル形式で実施。
走れない間に行っていた股関節の可動域トレーニングや、スクワットを活用した殿部強化などが功を成し、後半も落とさずに回せました。
走らずに差し込みや筋痙攣を起こすことがあったので、このトレーニングの負荷が高いことを実感しました。

  • 3回目(初回から1ヶ月)

無酸素パワーテスト:ケガ前→830W 術後→734W 今回→900〜950W

数値上のリハビリ成果は順調、むしろケガ前より数値が向上していました。
ハイパワーの数値も向上し、7KP→179回転(前回:129)と大幅向上。
ここまで劇的に数値が向上した理由は分かりませんでしたが、走らずとも出力強化ができる可能性が見えてきました。

  • 4回目

正確に無酸素パワーテストができた結果、938Wが現状の能力でした。
走れない代償として、相変わらず低負荷では回転数が伸びていません。
優先するべき能力改善は高負荷パワーであることは変わりなく、段階的に目的を変化させていくことになりそうです。

段階的に能力が元に戻っているのが分かりやすく、PowerMaxは最高のリハビリ器具でした。

できる範囲で自主練を継続

川端コーチのレッスンは1回60分、それ以外の時間は自主練習がメインとなります。
基本的にはレッスンの復習が中心となり、それ以外にも少しずつjogやスプリントトレーニングを行いました。

術後40日でスクワットは90kgまで耐えられるようになりました。
膝に負担をかけないフォームでの実践を第一に、ケガ前の110kgに戻せるように繰り返します。
リハビリのために50mmシャフトを買い替えたのが得策となり、以前より90kgが楽に支えられました。

走りについてはフォームの崩れを引きずっているため、無理のない範囲で動きます。
スクワットが90kg挙げられた頃、5割程度の出力であればスプリント動作ができるように。
ステップを踏まないと走り出せないため、前脚(手術した右脚)に体重がかけられないのが分かります。

走れる日はできるだけ走るように工夫をしながら2ヶ月、スプリント動作に近い動きが戻ってきました。
膝の状態としては、

  • 痛み:ほぼ0
  • 違和感:一度出ると残り続ける

思い切り走りたいところではありますが、どこまでの違和感がセーフラインか分からないため、攻めきれないところでした。
一方で、少しずつ元に戻っている感覚も出てきているので、気持ちとしては前向きに捉えることができたと思います。

よりリハビリに力を入れるために

走れる可能性が高まってきた術後2ヶ月、この段階で、大きな賭けに出ました。

  • 静岡陸協/静岡マスターズへの登録
  • 全日本マスターズへのエントリー

間に合うか分からない状態ではありましたが、覚悟を決めるためにレースへエントリーしました。
何かアクションを起こすことで、気持ちを切り替えることにも繋がります。
順調にリハビリが進んでいる今だからこそ、攻める姿勢を作ることが大切だと思い、この決断をしました。

それと同時に、ここからリハビリの方針を大きく変えていきました。
次回のブログは、「体脂肪増加によるパフォーマンス低下/減量の作戦」について紹介します。

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